フェムテックの特徴

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フェムテック

2021年の新語・流行語大賞にもノミネートされたフェムテックという言葉、最近になってよく耳にすることが増えましたが、どのような意味の言葉なのかご存知でない方もまだいるのではないでしょうか。フェムテックは女性のヘルスケアに関する技術に関わるものを指します。今回はそんなフェムテックの特徴についてご紹介します。

フェムテックとは

フェムテック(Femtech)とは、女性が抱える健康上の悩み・課題や社会問題の解決をテクノロジーで解決する分野のことです。語源はFemale(女性)とTechnology(技術)を合わせた造語で、ドイツで生理日管理アプリを開発した女性起業家により生み出されました。現在フェムテックは欧米を中心として市場が拡大しています。

男性にはない女性特有の身体的な悩みといえば、月経や出産にまつわるもの、更年期、婦人科系疾患などがあげられます。最近では日本でも注目を集めるようになってきてはいるものの、日本ではまだ黎明期の産業であるため、まだ充分にフェムテックが拡大しているとはいえない状態にあるようです。

フェムテックがなぜ今注目を集めているのか

なぜ現在フェムテックが注目を集めているかというと、その背景には社会における女性進出があります。かつては社会に女性が働ける場も少なく、女性は家に籠って家事、育児、介護を担当することが当然という社会文化的性差がありました。また、これまでは女性の健康問題はタブー視される傾向が強かったことや、米国では医学研究は常に男性の臨床データをもとに行われてきたなどの女性の健康について後ろ向きだった歴史的背景があります。

これらの問題は、1994年以降は臨床試験に女性を参加させることの義務化や、男性も女性も意欲に応じて、あらゆる分野で活躍できる社会を目指す“男女共同参画社会意識”の高まり、男女の別を問わずに健康志向が広まっていることで解消されつつあります。これにともない、女性自身が仕事、結婚、出産において選択できる多様性が認められる時代となったこともフェムテックへの注目に一役買っているといってもよいでしょう。

また、SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)の3番目の目標にあたる“すべての人に健康と福祉を”および、5番目の目標に掲げられている“ジェンダー平等の実現”にも紐づいていることも、フェムテックが注目を浴びるようになった理由のひとつかもしれません。総務省統計局が開示しているデータによると、2021年の時点で日本の人口において男性(6,101万人)よりも女性(6,448万人)のほうが多い状態です。

女性の数が男性の数よりも多い状態は2005年から現在に至るまで続いており、企業における労働力としても欠かせない存在になりつつあるといえます。平成31年に経済産業省ヘルスケア産業課が公開した“健康経営における女性の健康の取り組みについて”では、PMS(月経前症候群)や月経(生理)に関連したパフォーマンス低下により、4,911億円の損失が試算されています。

また、更年期に関して正しい知識や症状への対処・治療法が広まることにより、女性の離職や昇進辞退が回避され、2025年時点で年間約1.3兆円の経済効果が試算されているのです。これまでは個人で我慢・対応していた女性の健康を、フェムテックという形でサポートすることで社会的な経済損失を回避できると認識されたことも、フェムテックの重要性が注目を受けた理由のひとつです。

実際にどんな商品や企業があるのか

それでは、実際に女性特有の健康やライフスタイルの悩みにテクノロジーで解決を試みるフェムテックをテーマとした商品や、企業にどのようなものがあるのかご紹介します。フェムテック商品やサービスとしては、生理周期の管理アプリ、月経カップ、吸水型のサニタリーショーツ、妊活をすすめるサポート、低用量ピルのサブスクリプションなどが挙げられます。

海外では不妊治療用をささえるデバイスや、骨盤底筋を鍛えるデバイスが開発されているようです。国内ではピルのオンライン処方やデリケートゾーンの用のソープや保湿剤といったケア用品が急増しています。日本国内でフェムテックに関するアプリを開発する企業として、ルナルナなど健康や妊活をサポートする各種アプリを生み出した株式会社エムティーアイ、妊娠から出産までの期間妊婦をサポートするninaruを提供する株式会社エバーセンス、婦人科特化型オンライン診察プラットフォーム“スマルナ”をリリースしている株式会社ネクイノなどがあります。

そのほか、フェムテック商品専門ECサイト“fermata store”を運営するfermata株式会社、乳房用超音波画像診断装置“リングエコー”を開発した株式会社Lily MedTech、女性向けメディア“TRILL”を発行するdely株式会社などもあるようです。

フェムテックの課題とこれからについて

フェムテックは脚光を浴びている分野でありながら、生理管理などアプリ関連の開発は初期費用を低く抑えられるため、多くのスタートアップ企業などが積極的に参入しています。その一方で、フェムテック事業の意思決定層に女性が少ないことから、本当に必要な商品やサービスなどが開発されにくいという問題があります。

また、フェムテック事業が黎明期にある分野であるためルールが明確化しておらず、該当商品やサービスの安全性・信頼性がはっきりしていないケース、誇大広告に近い形で販売されているケースもあるようです。社会として求められることは、業界ルールの制定、各種サービスの規格化などの整備を進めること、ユーザーとして求められることは安全性が確認できないサービスには手を出さないことです。

 まとめ

女性が健やかに過ごせることを目的とした技術のことをフェムテックといいます。フェムテックを利用することで、生理不順や生理痛による日常生活や仕事のパフォーマンスの減少を防いだり、妊娠・産後ケアによる労働機会の損失を回避したり、不妊や貧血、更年期などによる心身のダメージを軽減できたりするなどが期待できます。フェムテックには、月経管理や妊活サポートなどのアプリやデリケートゾーンケア用品、オンライン診察システムなどの商品が存在するようです。

 

 

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